ジャズ喫茶に限ると、JBLをつないでいるアンプは「マッキントッシュ—McIntosh」が多いようです。マッキントッシュ社も自社のサイトでJBLとの組合せを「定番」だと宣言しています。JBLとの相性のよさを自認しているアンプのメーカーはマッキントッシュだけです。JBLの日本総代理店だったサンスイは自社製のスピーカー・ユニットを販売していましたから、JBLとの相性については、なにも発表していません。

 

JBL−−マッキントッシュのアンプの組合せがいつから増えたのか、その理由もふくめてわかりません。マッキントッシュのアンプの特徴のひとつは大出力です。その点ではJBLとマッチングします。しかしジャズ喫茶、ジャズ・バーは、JBL以外のスピーカーを鳴らす場合もマッキントッシュのアンプを使うことが多く、マッキントッシュのアンプがジャズに向いている、と考えられているのかもしれません。

 

アンプを選ぶ場合の目安は、スピーカー1台と同価格帯のものと言われています。マッキントッシュは中級機のMA6700でも75万円はします。このクラスになると、「スピーカー1台と同価格帯」説は通用しません。

 

こころみにネットで「JBL アンプ 相性」で検索してみると、10万件以上、ヒットします。JBLの機種を指定しても同じです。オーディオ・ショップの店員に聞いてみても、おそらく同じでしょう。

 

スピーカーとアンプ、ふたつの組合せだけで無数にあります。これに聴く音楽の種類、目的、設置する場所も加わりますから、ほとんど無限になります。最終的に個人差という要素が加わります。それは「好み」という主観ではなく、聴覚の個人差という客観的な要素です。

 

聴力だけではありません。たとえば人間の可聴音域は20ヘルツから20000ヘルツとされていますが、かなり大きな個人差があります。男女、年齢でも差があります。結局、どういう音が心地よく聞こえるかどうかは、人によって違うということです。スピーカーとアンプの組合せの結果も同じです。極端に言えば、ある人に不快に聞こえる組合せが、他の人は心地よいということもあり得ます。

 

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