ホーンロードスピーカーは、低音用にホーン形を採用したシステムをいい、ストレートホーンや折り返しホーン、フロントロードホーン、バックロードホーンなどがあります。低音の再生限界周波数を低く選ぶとカットオフ周波数の関係からホーン開口が大きくなり、一般家庭用としては設置困難な場合もあります。低音にホーンを使用した場合、中音、高音もホーン形スピーカーを組み合わせることがほとんどで、3~4ウェイのシステム構成が多いようです。

 

 オーディオ愛好者の中にはフロントロードのストレートホーンを天井に設置するという例もあります。ドライバーとしては直接放射形のコーン形や特別のダイアフラム使用の低音専用ドライバーを使用する場合と、ホーン奥行きを短くすることから大口径のコーン形をダブル駆動する場合などがあり、設計思想の違いがあります。

 

 この種のスピーカーシステムはトーキー用スピーカーの音質改善のため、1936年に開発されたシャラーホーンシステムの影響を受けています。それまでの中低音ホーン中心の3ウェイに対し、低音にフロントロードホーンを採用し、マルチセルラーホーンの高音の2ウェイ方式とし、形態も新しいものにしたことです。クリプッシュホーンやオートグラフ、RGFなどの銘記がこれにあたります。大型の低音用ホーンが好んで使用された環境は、真空管アンプの登場で、アンプの出力で必要な聴取レベルを十分に満足できるように、スピーカーシステムの能率を高くする必要があったからです。

 

 今日では、駆動アンプの出力が100~1000Wクラスまで入手可能で、大型で高能率なスピーカーシステムを新たに求める必要がなくなっています。また、低音再生の限界周波数の拡大、タイムアライメントの問題など解決すべき点がありますが、平面波的低音の再生やアタック音などの音圧の直線性といった音質面で良さが残されており、JBLのビンテージスピーカーは今でも銘器として受け継がれています。

 

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