マニアならずとも、オーディオに関心をもった人なら「JBL」の名は耳にしたことがあるでしょう。「!」がついた独特のロゴも目にしています。その音は「JBLサウンド」と呼ばれます。

 

「JBLサウンド」とはどんな音でしょうか。音楽ファンやオーディオマニア、評論家がさまざまな表現をしています。それらを総合してみると、音の「明るさ」と「迫真性」に行き着くようです。

 

「明るさ」では、JBLの音はしばしば「カリフォルニアの青空」にたとえられます。「迫真性」を具体的に言えば、ヴォーカルなら、あたかも歌手が目の前で歌っているかのような感覚を受ける、ということです。サックスなら、JBLのスピーカーがサックスになった、というような迫力です。

 

正確な音の再現とは少し違います。再現性ではなく迫真性、そこにJBLのスピーカーの音に対する基本的な考えがあります。スピーカーに必要な音はこういう音だと割り切って、その代わりにその音を最大限に鳴らす。スピーカーとはそういうものだという確信があります。人間の可聴音域すべてを平均してカバーするようなスピーカーは要らない、としたのです。

 

欧米のメーカーが作るスピーカーの音にはみな個性がありますが、好き嫌いは別にして、JBLの音はとりわけ個性がはっきりしています。それが昔から変わりません。

 

JBLがスピーカー・システムをはじめて世に出したのは1948年、スピーカーを製作するメーカーはアメリカにいくつもありましたが、JBLはまったく新しい音で登場しました。本格的に製品をデビューさせた1950年代から60年代は、家庭で音楽を楽しむ、という習慣が始まった時代です。レコードはステレオ化されて、Hi−Fi(ハイファイ)という言葉が高性能のオーディオ装置の代名詞として普及してきた時代です。

 

時代を先取りしたJBLスピーカーの登場は、アメリカの音響機器の会社にとって衝撃的なものでした。この時からアメリカのオーディオ各社は、一般ユーザー向け製品の開発を本格的に競いだします。JBLのスピーカー登場はオーディオの歴史の中で、ひとつの事件でした。

 

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