ジャズとは逆に、JBLはクラシック音楽には向かない、という根強い声があります。それはほんとうでしょうか。

 

JBLとクラシック音楽との関係で、よく引き合いに出されるのが、クラシック音楽のファンに支持されているタンノイ、「TANNOY」のスピーカーです。

タンノイはイギリスのスピーカーのメーカーで、歴史はJBLより10年以上古い1932年にさかのぼります。

 

スピーカーの構造はJBLとまったく異なっていて、上級品に使われる同軸2wayを最大の特徴としています、1個のスピーカーに中低音用と高音用が同居しています。なぜこうような複雑な構造になったかといえば、イギリスの税金の問題が背景にありました。音楽観賞用のスピーカーは、税制上は贅沢品とされ、スピーカー1個ごとに税金がかけられました。そのため2wayを1個のスピーカーにまとめたのです。実際にタンノイの上級機は非常に高価です。その造りはヨーロッパの高級家具を思わせます。

 

タンノイの音は部屋全体にひろがって、柔らかく響きます。設計思想として、コンサートホールの音場の再現をしようとしているようです。音場の再現、広がりをつくることは、JBLが苦手とするところと言われています。タンノイでよく指摘されるのが弦の音の繊細さです。この点ではJBLはタンノイに及びません。逆にJBLを聞き慣れた人にとっては、つかみ所が無いように聞こえて、物足りません。

 

アメリカはクラシック音楽にコンプレックスがあり、オーディオ機器の再生音もヨーロッパのクラシック音楽ではなく、自国オリジナルのジャズ、ポップスの音を目指した、と説明されることもあります。

 

JBLの、しかもスタジオモニターでクラシック音楽を楽しんでいる人はいっぱいいます。JBLもタンノイも以前に比べれば個性が少なくなったとされます。それでも上級機に限って言えば違いは歴然としています。クラシック音楽に向く向かないというよりも、JBLの音が好きな人はJBLでクラシック音楽が楽しめますし、タンノイの音が好きな人は、タンノイでジャズ、ポップスが楽しめます。

 

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